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お笑い芸人くさわけしんたろうのブログです。 元々はニート軍団ブログでした。
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10月19日

先日のパチンコの項を書いた際に、以前考えた短編ミステリーの物語を思い出した。
確か、こんな話し。


人生に行き詰まったある男の話

それは、会社をリストラされ、家族にも見放された男が、自殺を考えながら、フラフラと繁華街を歩いている所から始まる。
途中で男は、サングラスに黒スーツという怪しげなパチンコ屋の客引きに呼びとめられるのだが、迷う事なくついて行ってしまう。
路地を抜け、地下へ入っていき、暗い階段を降りて行った先には一台のパチンコ台があり、そこに座る。
客引きから玉が入ったドル箱を受け取り説明を受ける。
「この玉はあなたの魂そのものです。中央下部のヘソに玉が入ると大当たりですが、全ての玉を使いきると死んでしまうので注意して下さい」
男はそれを聞いても躊躇せずに玉を打ち出す。
すると、玉は全くヘソに入らないが、玉を打ち出す度に頭の中で過去の映像が浮かんでいった。
最近の夫婦喧嘩、結婚当初、就職前、高校生、小学生、と過去の映像はどんどん遡っていき、消えていく。
男はパチンコ玉が己の魂である事を理解する。
死んだ筈の両親、産声をあげる自分が浮かび、もう終わりかと思いきや、今度は、まだずっと若い頃の両親、戦時中に震えながらジッと待つ父親似の男、必死の形相で人が斬り合う戦国時代、と先祖の映像までが浮かんで消えていく。
この時に男は涙して、初めて自分が多くの苦難を乗り越えて繋いでくれた命なのだと悟り、どうしようもなく命が惜しくなった。
もう玉が数発しかない状況で、男はパチンコ台の前面を拳で叩き割り、玉を掴んでヘソに入れた。
すると、客引きは「大当たりです」と声を掛け、男は程なくして地上へいた。
実は男は最後に客引きの横顔を見たのだが、それが死んだ父親そっくりだと気づいた。
男は再起を誓い、また歩き出した。


こんな感じ。
過去にこれをお笑いライブで全暗転で話したら、鬼スベリして、僕の魂が消滅しかけましたな。
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